グループセラピーに出席~…
〈先生〉
それじゃ次の方。新患さん、いらっしゃ~い!
〈ぱぶ〉
ハーイ。My name is ぱぶ。
〈一同〉
ハーイぱぶ!
〈ぱぶ〉
Well…I'm a tits-holic.
〈一同〉
What?
〈ぱぶ〉
いわゆるおっぱい中毒なんです……。
〈一同〉
Oh…(ざわざわ)
〈ぱぶ〉
近くに女性がいると、胸が気になって何も手につかなくなるんです。気が付くと胸元をじ~っと見てしまっていて……。でも、さすがに母のは見ませんけど。
〈一同〉
Hahaha!
〈ぱぶ〉
自分じゃどうしようもなくてここに来ました。よろしくお願いします。
〈先生〉
さぁみんなでぱぶに何が出来るか考えてみよう。
〈アレックス〉
僕も気になってる女性の胸は少し意識しちゃうけど……君は誰でもいいのかい?
〈ぱぶ〉
誰でもいいんです。マネキンの胸を見てたときはさすがに自己嫌悪に陥りました。
〈ハンナ〉
女性の敵ね。……ちょっとやだ、今私の胸見てたでしょう!?
〈ぱぶ〉
ごめんなさい。でも好みの胸じゃなかったです。
〈ハンナ〉
As※hole.
〈ボブ〉
グラビアは持ってる?
〈ぱぶ〉
数冊なら。でも8割は表紙詐欺ですね。フォトショップで肌の色まで加工できる時代ですから。
〈ボブ〉
然り。
〈ぱぶ〉
それに結局写真は2次元だから、本物の胸には敵いません。
〈ハンナ〉
今は動画も多いでしょう?そっちをはけ口にして衝動を抑えられないかしら。
〈ぱぶ〉
無理ですね。欲求が刺激されるだけです。
〈ハンナ〉
まさか知らない女性の胸に触れたいとは思ってないわよね?逮捕されてからじゃ遅いのよ。
〈ぱぶ〉
少なくともあなたのは思いませんね。胸の開いた服着ないほうがいいんじゃないですか?シリコン入れてるのバレバレですよ。
〈ハンナ〉
F※ck you pervert!!
〈アレックス〉
Seriously?
〈ぱぶ〉
あぁあなたはアメリカ人なんだ?アメリカは自由の国だから、胸に何を入れても自由ってわけなんだねハンナ。美容整形と呼ぶには少しいびつすぎるけど……もしかしてじゃがいもか何か詰めた?
〈ハンナ〉
Shut up! Go to hell!!
〈ぱぶ〉
『ハンナはアル中のシリコン女』ってSNSでつぶやいてやる。
〈ハンナ〉
私は患者じゃなくてボブの付き添いよ!アル中はあんたでしょボブ!?
〈ボブ〉
まさしく。
〈先生〉
ザッツ・オール!そこまでだ。具体的な解決策は出なかったね。でもどうだいぱぶ?みんなに話せて少しはスッキリしたんじゃないかい?
〈ぱぶ〉
いえ、無益な時間でした。
〈先生〉
ハハ、最初はみんなそう思うんだよ。セラピーは根気よく続けることが大切なんだ。みんなに励まされて、そして時には君が誰かを勇気づけながら、仲間と共に生産的な思考や社会性を培っていく。それがグループセラピーのコンセプトであり本質なんだ、私のウェブサイトにも書いてあるようにね。
〈ぱぶ〉
適当な場を用意して患者たちに丸投げすれば、誰でも著名なセラピストになれるんですね。
〈先生〉
君のその、人を不快にする嫌味な言動と皮肉屋な性格にも治療が必要みたいだね。
〈ぱぶ〉
二度と来ません。
〈先生〉
……おっとそうそう、今月から診療代を値上げすることになったんだ。なに、法外な料金を取ろうってんじゃないよ、従来の40%増ってぐらいさ。心苦しいけど私にも女が3人いてね。さぁぱぶ、次は君が仲間を助ける番だ。
〈ぱぶ〉
あなたが誰よりも中毒者であるべきなのにね。ワーカホリックにかかるくらい、患者に尽力したことはありますか?
〈先生〉
新患さん、いらっしゃ~い!