勝負の世界に学ぶ、負けないための思考術
――人生を成功に導くメソッド
男も育乳する時代へ
たれ子:
美乳山さんは普段からブラジャーをつけていらっしゃるの?
美乳山:
はい。ブラ男子です(笑)
たれ子:
もう男性がブラを着用する時代なのねぇ。
美乳山:
相撲はほとんど裸でぶつかりあうスポーツですから、土俵上でたるんだ胸を見せるのはちょっと気が引けますね。
たれ子:
美しくありたい気持ち、すごくわかるわ。
美乳山:
ただそれ以上に、ブラをつけていると気持ちがシャンとするというか。自分の中に一本筋が通る気持ちがします。
たれ子:
仕事におけるスーツや作業着と同じ感覚なのね。
美乳山:
そうですね(笑)たれ子さんも機能下着をプロデュースされてますよね。
たれ子:
今度新作が出るから、美乳山さんに広告塔になってもらおうかしら(笑)
美乳山:
喜んで(笑)たれ子さんには、ぜひ男性用のブラをもっと充実させてほしいです。
たれ子:
使命感じちゃう。
美乳山:
(笑)
男の涙
たれ子:
そろそろ時間みたい。最後に、近い内に横綱昇進なんて話も出ているけど、今の心境を聞かせてくれる?
美乳山:
とても光栄ですし、精いっぱい精進していくつもりです。でも正直、横綱の重圧に耐えられるだろうかという不安もあります。
たれ子:
そんな迷いを断ち切ってくれる、スペシャルゲストが来てくれているの。
美乳山:
えっ!
たれ子:
お母さん、今!
美乳山:
えええ!?おっかさん!ええ!たれ子さんは!?
母:
別室から声を送ってもらってたの。たれ子さん、ありがとうございました。
たれ子:
作戦大成功ね(笑)
美乳山:
ずっと目の前にいたなんてびっくりだべ!
母:
ふふ。優勝おめでとう、よくがんばったね。
美乳山:
ありがとう。バタバタしてて連絡できなくてごめん。
たれ子:
やだ、涙もろくなっちゃって私……。
母:
あんたが元気で頑張ってくれてるだけで、親孝行だよ。
たれ子:
愛なのね。愛があなたの強さの秘密だったのね。
美乳山:
絶対に日本一の横綱になって、故郷に錦を飾りたいです。
たれ子:
あなたならきっとできる。信じているわ。オーバー?
こうして対談は幕を閉じた。たれ子氏の粋な計らいによって、大関の信念は確固たるものとなった。『勝負の世界に生きる男と女』――性別の違いはあれど、二人の持つハートは同じ熱を帯びていた。
デカパイ亭たれ子氏がゆかりのゲストを招いて女性の現在と未来をひも解く「デカパイ亭たれ子X(クロス)」、次回もお楽しみに!
【 大関美乳山 プロフィール 】
高校卒業後、武羅部屋に入門。小兵ながらキレのある相撲を取り、19歳3か月で新入幕を果たす。同時にこれまで本名のままで取っていた四股名を「美乳山」と改名した。新入幕から所要38場所で大関昇進。4度目の綱取り場所として臨んだ2019年の胸場所において優勝し、稀勢の里以来である日本人横綱誕生の機運が高まっている。ブラ男子。