勝負の世界に学ぶ、負けないための思考術
――人生を成功に導くメソッド
美乳山:
初めは忘れよう、切り替えようとしてました。でも無理だったんです。じゃあその失敗を乗り越えられるまで、とことん稽古しようと。
たれ子:
メンタルじゃなくて、フィジカルからアプローチを?
美乳山:
ええ。あれだけ稽古したんだから、と自信も芽生えてきました。いい意味で楽観的になれたというか。肩の力が抜けて、いい成績を残せるようになりました。
たれ子:
まさに『艱難汝を玉にす』ね。結局今場所も、初日以降は全勝したものね。
美乳山:
ガードしてくれた行司さんにもお礼を言わないとですね(笑)
たれ子:
NHKでモロはまずいわよ。
一同:
(笑)
千思万考こそ強さ
たれ子:
強いアスリートの条件みたいなもの、あるかしら?
美乳山:
力士にも二通りの人間がいるんですよ。勝つために本能で戦う人間と、負けないために考えて戦う人間と。
たれ子:
すごく興味深い話ね。
美乳山:
相撲の世界って、体格がそのまま如実にパフォーマンスや勝利に直結してるんです。他のスポーツみたいに、体重によるクラス分けもありませんし。
たれ子:
無差別級ね、大相撲は。
美乳山:
体格で劣る僕みたいな力士が勝つためにはどうするかというと、やっぱり頭を使うしかないんですね。
たれ子:
体と体のぶつかりあいに見えて、実は見えないところで一番大きな戦いが繰り広げられてるわけね。
美乳山:
若い衆に稽古をつけた時も、たしかに体は疲れて苦しそうにしてますよ。でもその中で、頭までヘトヘトになってる子が何人いるのかなって。
たれ子:
こちらからは分からないものね。そういう考える力を持った人が、本当に強い力士になっていくんでしょうね。
美乳山:
そう思いますね。